【産地取材】甘みと酸味が超絶妙な「有田三代みかん」おいしさのワケは?

個性豊かなみかんが続々登場する季節を迎えました。皮をむいた瞬間の香りや、一口食べれば分かる甘さ・酸味は、みかんによってそれぞれ特徴がありますよね。

和歌山県の「有田三代(ありだ さんだい)みかん」をご存じでしょうか。
全国各地のみかんを食べ比べ続けてきたフルーツ担当のバイヤーが自信をもっておすすめする、ギュッと濃厚な甘みと、それを引き立てる酸味のバランスが素晴らしいみかんです。

今回は、有田郡有田川町にある「吉田農園」にお邪魔して、二代目の吉田澄子さん・武芳さん、そして三代目の耕治さん・侑里さんに、おいしさのヒミツを伺いました。

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絶妙なバランスに自信あり!こだわりの育て方

有田三代みかんの特長は「濃厚な甘さと適度な酸味」。
口内にじゅわっと広がる甘さと酸味のバランスが超絶妙。濃厚なのにくどく感じることもなく、次々と手に取りたくなります。

終始明るく優しい瞳で笑いかけてくださった二代目・澄子さん

――ギュッと果汁が濃縮されたような味に驚きました!どうしてこんなに甘くておいしいんでしょうか?

いろいろこだわりはあるけれど、まずは木の上でじっくりと熟成させることね。
こまめに様子を確認し、味もチェックしながら「ここ!」という時まで待って収穫していますよ。

酸味だけが立っているのではなく、糖度もばっちり。その場で実際に計ってみると、14.7度。甘さをしっかり感じられるのも納得です。
※品種「ひのあけぼの」で糖度を測定。時期や個体、または品種により糖度に差があります。
※11月は、糖度11.5以上を基準に選果しています。

――収穫時に、繊細な違いを見極めていらっしゃるんですね。より甘くておいしいみかんの見分け方はあるのでしょうか?

皮の色が濃く、朱色に近くなったら収穫タイミングです。なかでも、おしりの部分がボコボコしていて、実と皮が離れていないものが、より食味が良いですよ。

収穫中、寡黙さのなかに垣間見える優しさが素敵な武芳さん

樹上で熟成させ、そのなかでもより質の良いみかんを見極め、肩から下げた収穫かごへ一つずつていねいに置き入れていく――目で見て触って、味見をし、確かめながらの手作業こそが、初代から受け継いできたこだわりなのです。

過酷な急斜面も、みかんのためなら

さんさんと太陽の光が注ぐ急斜面。葉のグリーンと果実のオレンジ、さらに空や石垣とのコントラストが眩しくキラキラ輝き、本当に美しい農園です。
ただ、急な斜面での作業は、どうしても過酷さが付きまとうのだそう。

――遠くから見るときれいですが…実際に畑へ入ると、滑り落ちそうで立っているのがやっとですね!

確かにそうかもしれませんね。足腰がキツいし、道も狭くてすこし危ないのは正直なところ。けれど、太陽の光をめいいっぱい取り込むために、斜面も大切なんです。おいしいみかん作りのためなら苦になりませんよ。

急斜面で効率よく収穫できるようにと、4、50年前に整備したというレールが各所に。中腹の通路までみかんを運び、トラックへ移し替えているそうです。

他にも、方角や土の質、水はけなどによってもみかんの出来栄えが違うんです。つまり、その地によって、おいしく育つ品種も違う。父の代から試行錯誤を重ねて、それぞれの園地にあった品種を作り分けてきました。
「この地ならではのこの味を、みなさんに召し上がっていただきたい」と思って一生懸命作っています。

赤ちゃんを抱くように優しく

――みかんを扱う手がとても優しくて、カゴにも一つひとつ大事に置いていますね。

とにかく衝撃を与えないよう、ていねいに収穫しています。もちろん、このあとの選別や箱詰めも、一つひとつ人の手で大切に行います。
「出荷までに合計30cm分落としてしまうと味が落ちる」ともいわれていて、時間はかかるけど、効率よりていねいさに重きを置いているんです。

個人でもっている選果施設には、衝撃を最小限に抑えられるよう随所に工夫が。糖度を測れる大きなセンサーもあります。

出荷までに、果実がこすれたり、高い所から落としたりしないよう、優しくていねいに、をモットーに作っているのです。

家族で作りつなげる幸せ

品質へのこだわりを熱く語ってくださった三代目の耕治さん

――自然環境をうまく活かしながら、家族でていねいな仕事をつないでこられたのですね。吉田家の長い歴史のなかで、大変だったこともありましたか?

大変なことと言ったらいろいろあるけれど、一番はやっぱり自然災害。初代から実直に努力してきたんですが、天候や鳥獣の被害など、自然にはどうしてもかなわない。努力で補えない部分は難しいと感じますね。

みかんを見つめる目は、皆さん優しくも真剣。そして作業中は、長年培ってきた阿吽の呼吸が垣間見えました。

だけど、家族で協力しながらみかんを作れるのは幸せ。どうしたらおいしいみかんを作れるか、みんなで考えて、手分けして仕事するのはすごく楽しいですし、幸せだと感じています。

一度食べればきっと分かるはず!まず食べてみて、もしおいしかったら友達や親せきの方にも広めていただけたら嬉しいですね。

甘みと酸味が超絶妙な「有田三代みかん」

急斜面に降り注ぐ陽光のもとでじっくり熟成、そして一つひとつ大切に収穫した「有田三代みかん」。吉田さん家族が三代で作りつないできた技術と、何より優しい愛が詰まっていました。

ただ甘いだけじゃない、酸味とのバランスが超絶妙な「有田三代みかん」をぜひ味わってみてくださいね。

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